James Herriot
Pen Name of James Alfred Wight. 1916 - 1995
ジェームズ・ヘリオット先生は、イングランド北部の北ヨークシャーのサースク（Thirsk)に住んでいた獣医さんです。
彼はこの豊かな自然に囲まれたヨークシャー地方を舞台にして、1930年代から50年代にかけての古きよき時代のおかしな出来事、愛すべき動物たち、素朴な人々との交流を、ユーモアと感動に満ちた暖かいタッチの物語に描き出しました。
「ジェームズ・ヘリオット」というのは実はペンネームで、本名はジェームズ・アルフレッド・ワイトと言います。
ファーストネームはジェームズなのですが、本人があまり気に入ってなかったらしく、ジェームズとかジミーと呼ばれたことは一度もなかったようで、常に「アルフレッド･ワイト」、もしくは「アルフ･ワイト」と呼ばれていました。また、ペンネームのジェームズ･ヘリオットというのは、サッカーのスコットランドチームのゴールキーパーの名前からインスピレーションを受けてつけられた名前だそうです。
アルフ・ワイトは1916年10月3日に英国北部の工業都市、サンダーランドに生まれました。
生後すぐに家族はスコットランドのグラスゴーに引越し、そこで少年時代をすごしました。グラスゴー獣医学校を卒業した後、生まれ故郷のサンダーランドの獣医、J.J.マクドゥアルのもとで約半年間雇われ獣医として働きましたが、この獣医は気まぐれで仕事も安定しなかったため、アルフはもっと安定した職場を探さざるをえませんでした。
ある日、獣医雑誌を読んでいたとき、アルフは北ヨークシャーの古いマーケットタウン、サースク在住の獣医、ドナルド・シンクレアがスタッフを募集しているのを見つけます。そして、アルフは1940年7月18日にサースクにやってきました。
このサースクこそがヘリオット先生の一連の物語、「ヘリオット・サーガ」の舞台となった町、「ダロウビー（Darrowby)」のモデルのひとつです。
また、雇い主だったドナルド・シンクレアは、彼の物語の中で重要なキャラクターとなった、シーグフリード・ファーノンのモデルとなりました。以後、50年以上にもわたってアルフはサースクの町の獣医として働き続けました。
50歳になったとき、アルフは初めて小説を書き始めます。
そして最初の小説、If Only They Could Talkが1970年に英国で出版され、その続編のIt Shouldn't Happen
To A Vetと合本になった「All Creatures Great and Small」（邦訳「ヘリオット先生奮戦記」）がアメリカで出版されるにいたって、たちまちのうちに世界的なベスト・セラー作家となり、一躍「世界でもっとも有名な獣医」となってしまったのです。
その後、ヘリオット先生の小説は英国で映画化され、さらにBBCのテレビドラマ化で、さらに多くのファンを世界中で獲得していきました。
ヘリオット先生は8冊のオリジナル作品集、1冊のオリジナル観光ガイドブックを発表し、さらにそれらを元にして多くのオムニバス、子供向けの絵本を発表しましたが、残念ながら1995年2月23日に、前立腺癌でその生涯を終えられました。
ヘリオット先生の遺言として、お墓は作らず、その遺骨はノース･ヨーク･ムーアの西のはずれの断崖、サットン・バンクのホワイトストーン・クリフからムーアに散骨されたとのことです。
なお、アルフ・ワイトが獣医を開業していた建物（ヘリオット･サーガではスケルデール･ハウス）は、今ではヘリオット先生を記念した博物館、"The
World Of James Herriot"となっています。
この博物館は1930年代から1940年代の獣医の生活を再現したものになっており、ヘリオット先生を知らない人でも楽しめるし、知っている人なら感激のあまり卒倒してしまうような素晴らしい内容です。（余談ですが、英国はさすがに博物学の先達の国で、どの博物館も陳列や紹介の仕方が実に面白く、見ていて飽きません。入場料は高くても十分元の取れるものが多いと思います。）
ヨークシャー地方は、日本で発行されているガイドブックではあまり紹介されることがありませんが、心癒される素晴らしい地域です。
英国の田舎が好きな方でしたら、一度は訪問する値打ちのあるところだと思っています。
特に、ヘリオット先生の本の舞台となるヨークシャー・デールズ北部とノース・ヨーク・ムーア。なーんにもないですが、そのなーんにもなさ加減が素晴らしいのです。ぜひ自分の目で確かめてきて欲しいと思います。
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オリジナル作品集 |
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オムニバス作品集 （オリジナルからの抜粋） |
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子供のための作品 （絵本） |
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ヘリオット先生をさらに知るための参考書 |
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映像化されたヘリオット先生の作品 |
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イングランド北部、ヨークシャーのヘリオット先生ゆかりの場所 |
