2002年8月21日 (水曜日) 快晴 最高気温24度
Glangrwyney - Abergavenny - Cirencester - Kelmscott - Winchester - Sparsholt
朝早く起きてしまったので、ホテルの近くを散歩する。真っ黒なラブラドール・レトリーバー3匹が一緒についてくる。一匹は昨日会ったバード、残りはその兄弟か。
8時きっかりにダイニングルームに降りて行く。ここもオーナーの趣味を反映して素敵なインテリアである。今度は猫のジョージが、各テーブルにご挨拶にやってくる。動物の好きな人にはお勧めのB&Bだ。オーナーのご主人がアタッシュケースもってBMWでご出勤していった。B&Bの運営は奥さんにまかせているらしい。朝食は質量ともホテルに勝るとも劣らない。これで55ポンドはすごくお値打ちである。
グレングラニー・コートの朝。宿猫は愛想がよくゲストにまとわりつきます。朝食の部屋も素敵でした。
Abergavenny
チェックアウト後、アバーガベニーへ向かう。町に入り、中心部に近くで信号待ちをしていると、路上にスペースが開いたので、そこに駐車させてもらう。ツーリスト・インフォメーション・センターまで歩いていくが、まだオープンしていない。時計を見ると、9時25分。オープンは9時30分からと書いてあり、ほんとに9時30分ちょうどにオープンした。英国人は律儀である。
TICでは、ブレコン・ビーコンズの本などをあさる。この町のシンブルはないかとたずねたら、「隣のショップで販売するよ。10時からのオープンだがね。」と言う。「うーむ、さらに待たなくては買えないのか、、、、。」と思った矢先に、「向こうから持ってきてあげるよ」とウィンクし、隣のショップから出して来てくれた。英国人は律儀だけど融通も利くようである。アバーガベニーのシンブルは、水仙と羊。なんやら湖水地方のグラスミアあたりと同じである。
TICの前にあったアバーガヴェニーの案内図。イングランドとの国境近くなので、ハーフ・ティンバーの建物も目立った。
車に戻る途中にテディ・ベア・ショップを発見した。まだClosedの表示なっている。10時からオープンの様子である。時間つぶしにCD屋さんに入る。エルガーの第1交響曲、アイリッシュ音楽のCDを買う。ウェールズ音楽でいいのを推薦してもらう。これはどうだ、あれはどうだ、と親切に視聴させてくれた。聞いている最中、店のおばさんもおじさんもハミングしている。かなり有名なチューンばかりらしい。結局クワイアーとハープ演奏の入ったCDを購入。
その後テディ・ベア・ショップへ戻ると、すでにオープンしていた。シュタイフだけでなくディーンズやハーマンなどもあり、品揃えは昨年来訪れたどこのベア・ショップより充実していた。店のおじさんが、「この子の名前はダスティン、限定100体中の34番目だよ」などと解説してくれる。リミテッドバージョンばかり
4匹ほど買ったら、100周年ベアを1匹とメリーソートのカレンダーをおまけにくれた上に、15%ディスカウントしてくれた。妻はお気に入りのベアがお値打ちに買えたので、いたく満足した様子だった。
アバーガベニーのテディ・ベア・ショップにて。充実した品揃えで、待った甲斐があった。
Cirencester
その後、次の目的地のサイレンセスターを目指す。
まずA40をグロースターへ向かう。とても空いており、がんがん飛ばせる。グロースターからA417 でサイレンセスターへ。到着後、ツーリスト・インフォメーションへ。ナショナルトラストのやっているインフォメーションで、NTグッズが豊富だった。ケルムスコットまでの所要時間を聞くと、ここから30分ぐらいとのこと。例によって町を出るのに迷いまくる。
サイレンセスターで見つけた、「ベア・イン」というパブの看板。真ん中はシンボルの教会。右はまたもやハーフ・ティンバー。
Kelmscott
サイレンセスターからレチデールを抜けてケルムスコットへ。
この村はコッツウォルズでも一番南東部に位置する村で、英国の19世紀を代表する工芸デザイナー、ウィリアム・モリスの生活していた別荘が、ミュージアムになっているのである。モリスのテキスタイルが大好きな我々としては、ぜひ訪問したい場所だった。
このあたりの道は、典型的なコッツウォルズらしい風景が展開する。細い道と、ライムストーンの古い家。途中でケルムスコットへの表示があり、左折。狭い道を通ってケルムスコットに到着。
マナー・ハウスはパーキングから結構遠く、歩くと10分ぐらいかかった。途中に、妻壁に「田園にくつろぐモリス」を発見する。この彫刻は、ウィリアム・モリスの友人のフィリップ・ウェッブのスケッチを基にして、ウェッブの唯一の弟子であるジョージ・ジャックが彫刻したものである。写真では知っていたが、まさかこんなところにあるとは思わなかったので、びっくりした。早速妻をそのメモリアル・コテッジの前に立たせて記念撮影。
ジョージ・ジャック彫刻の「田園でくつろぐモリス」のあるメモリアル・コテッジ前にて。右は拡大図。
このケルムスコット・マナーは水曜日しかあいていないミュージアムなので、たくさんの訪問客だった。
中に入ると、さすがすばらしい。壁紙から絵画、家具、調度にいたるまでアーツ・アンド・クラフツ運動の至宝のオンパレードである。モリスが初めて作成したタペストリー、通称「キャベツと葡萄」もあった。
モリスは、このマナー・ハウスとロンドンの間を、テムズ川上の船で行き来していたとのことだが、そのテムズ川はちょうどハウスの横を流れていた。テムズもこのあたりに来ると狭くて、単なる小川である。
また、ショップの品揃えもよかった。ティー・タオルやタイルなどはバリエーションもたくさんあって、選ぶのに困るほどであった。ショップでお土産を買ったあと、川沿いのテラスでクリーム・ティーをいただく。落ち着けるいいところだったが、農場のにおいは結構きつかった。
コッツウォルドらしいライムストーンで出来たケルムスコット・マナー。ウィリアム・モリスのお気に入りの別荘。
ケルムスコット・マナーを後にして、南へ走る。
当初は、ウィンチェスターの近くのナショナル・トラスト所有の庭園、モティスフォント・アビイを目指すつもりだった。バラ園が素晴らしいと聞いていたからだ。しかし、ケルムスコット・マナーがとても素晴らしかったので、それで満足してしまい、直接ウィンチェスターを目指すことにした。
1週間も英国の道を走っていると、ずいぶん妻のナビゲーションが上達してきた。地図上からB道路でニューベリーへ出るルートを選び出す。これが大正解。空いていて、しかも最短ルートだった。のどかな田園地帯を時速60マイルで飛ばす。それでもすごい勢いで追い抜いていく車もあり、英国の田舎道のスピードは日本の常識では計り知れない。
Winchester
ニューベリーからA34に上がり、順調に飛ばしてウィンチェスターに到着。鉄道駅の近くのパーキングに停める。地図を見ると、ウィンチェスターの大聖堂まではちょっと距離がある。また車を出してウィンチェスターのダウン・タウンまで向かうことを考えると億劫になってしまい、駅前に待機していたタクシーで向かうことにする。料金は3ポンドだった。ウィンチェスター・カテドラルは立派な大聖堂だった。5時を過ぎており、残念ながら中には入れなかった。ハイ・ストリートをそぞろ歩いていると、駅の近くまで来てしまった。歩いてもたいした距離ではなかったのだ。
ウィンチェスターの大聖堂。右はウィンチェスターの中心部。ホントこのあたりはハーフ・ティンバーが多い。
Sparsholt
ウィンチェスターを後にして、今日の宿泊地、レインストン・ハウス・ホテルへ向かう。ウィンチェスターの町外れからB道路に入り、のどかな田舎の風景の中を走っていくと、ホテルの看板が出てきた。そこを曲がり、長いアプローチに入ってしばらく走ると、メイン・ビルディング前のパーキングに到着した。
ここもすごく良いホテルだった。赤星ではないが、四つ星の77%だから、赤星同等と思う。(2008年現在、赤星4個になっていました。)
ホテルのスタッフがフレンドリーでいい。レセプションで、「ガーデンの見えるお部屋を用意しました。」と言う。そのとおりの眺めの良い、素敵な部屋だった。ここの庭には、ワン・マイル・ロング・ウォークという、文字通り1マイル続くまっすぐな道があり、遠く地平線までなだらかに起伏を描きながら続いているのが見えた。
レインストン・ハウス・ホテルにて。英国名誉革命時代の建物。庭に面したよい部屋をもらった。バスルームも素敵だった。
ディナーは、ガーデンの見渡せるレストランにて。ピンクの秋明菊が窓際に咲いていて美しい。スターターもメインコースもデザートも美味しかった。妻はフォアグラ、タルボットのバルサミコ風味、イチゴのデザート、私はカリフラワーとカニのパンナコッタ、ポークのテンダーロイン、パッションフルーツとあんずのスフレ。今回の旅行中、赤ロゼット2つのレストランで4回ディナーをとったが、このレインストン・ホールがベストだったかもしれない。例によって、ラウンジでコーヒーをいただく。ここも英国カントリーホテルの典型的なラウンジで、ディナー後の落ち着いたひと時を過ごすことができた。
ディナーは秋明菊の咲く窓辺にて。ディナー後は、ラウンジにてコーヒー。くつろげるラウンジだった。
いよいよ明日は離英の日。そのため、食後は荷物の整理にとりかかる。
昨年に引き続き、今年もずいぶんショッピングをしてしまった。学習能力が欠落していると言わざるを得ない。12時近くまでかかって、スーツケースの整理をする。こういう作業をやらせると妻は実に能率的である。あれほどの量の荷物がきれいに片付いてしまい、スーツケースに何とか収めることができた。しかし、ベアたちはすべて手持ちとなる。ちょっと恥ずかしい。
今回入手したベアを並べて記念撮影。