2002年8月20日 (火曜日) 晴れ時々曇り 最高気温22度

Llandudno - Conwy - Bodnant Garden - Betws-y-Coed - Llaswen (Llangoed Hall) - Crickhowell - Glangrwyney


今朝も天気は悪くない。ちょっと雲が多いぐらいか。朝食後、ポーターに荷物をくるままで運んでもらう。ここのポーターは、余計なことはしゃべらず、かと言ってサービス精神は旺盛だし、言葉遣いも無類に丁寧で、しつけが行き届いている。さすが一流ホテルである。


ボディスガッセン・ホールのメインビルディング。中はエントランス・ホール。右はガーデンに咲いていたハニー・サックルローズ。


Conwy
チェックアウト後、コンウィへ向かう。
コンウィと言えば、お城である。英国にはたくさんのお城があるが、中にはお金を払って中に入ってもあまり面白くないところもある。しかし、コンウィ城はお金を出してはいる価値のある城だった。

お城の近くのお店でウェールズグッズを購入。ウェールズの国旗にはドラゴンがあしらわており、そのせいかドラゴン・グッズが多い。私は熱烈な中日ドラゴンズ・ファンなので、うれしがって買いあさってしまう。

また、ウェールズの特産品に、「ラブスプーン」という木を彫刻して作ったスプーンがある。これを親しい人が送りあって、愛情のしるしとする、と言うものだが、細工の細かいものほど高価である。華やかな彫刻をしたラブスプーンは100ポンドもするが、そこそこの値段のものを、記念のために1本購入した。


コンウィ城にて。海辺に立つ堂々としたお城だった。


Bodnant Garden
A470 を南下し、ナショナルトラスト管理下にあるボドナント・ガーデンへ向かう。
入り口でナショナル・トラストのメンバーシップ申込確認書を見せると、怪訝な顔をされる。しばらく眺めていてようやく合点がいったらしく、「スコットランドで入会したわけね、はいOK!」と通してくれた。

ここは規模も大きく、素敵な庭だった。今日はさすがにちょっと雲が多くて、寒いぐらいの気候、写真を撮るといかにも北ウェールズっぽい風景に写っていた。ショップも広大で、種苗から園芸用品など、品揃えも多い。


ボドナント・ガーデンにて。すがすがしい庭園でした。フクシアの花が満開で、とても美しかった。


Betws-y-coed
簿度何と・ガーデンをぶらついた後、A470をさらに南下する。
燃料が心もとなくなってきたので、ベトウス・ア・コイドの町に入り、給油する。町の入り口のペトロル・ステーションに入ったのだが、実は奥にもいくつかペトロル・ステーションがあって、そっちのほうが安かった。これは他の町でも見かけたが、街の入り口のペトロル・ステーションは相場より高いケースが多かった。


ベトウス・ア・コイドへの道路標識、ウェールズ語と英語の表記です。右はペトロル・ステーションにて。トヨタ・アベンシスの後姿です。

車をP&D駐車場に預けて、ベトウス・ア・コイドの町の中をぶらつく。
ここはスノードニア山地の登山基地となっているらしく、アウトドア・ショップが目に付く。バブアーのオイル・スキンがあったので、またしても衝動買いしてしまう。我ながら節操が無くていやになる。

せっかくなので、この街のシンブルを探すが、パーキング付近のショップにはまった見かけなかったので、「どこで売ってますか?」とバブアー・ショップのおねえさんに聞いたら「シンブル、シンブル、、、、、。うーん、駅の近くにあると思うわ!」とのことである。「駅?そんなもんあったかいな?」と思いながら指差された方角へいくと、確かに鉄道駅があり、その近くにはお土産屋さんがたくさんあったのだった。ベトウス・ア・コイドのシンブルもいろんなバリエーションが置いてあった。


お土産屋さんだらけのBetws-y-coed鉄道駅。右はスノードニア・ナショナル・パークの看板。ウェールズ語・英語のバイリンガルです。


A470 - Snowdonia - Llangurig - Buillth Wells
その後、ずっとA470をたんたんと走る。
スノードニアの山を見渡せる眺めの良いパーキングがあったので、駐車してみる。バック・ミラーを見ると、うしろにずっとついてきていたローバー75も駐車してきた。中からおじさんが出てきてビデオ・カメラをまわしながら、「今日の天気はすばらしく、ひさしぶりに胸のつかえが取れた気分を味わう、、、、、」とかなんとか、ぶつぶつつぶやきながら撮影している。なるほど。あとでビデオを見せるときに解説付きにするということのようである。

おじさんに、「ここから見えるあの山は、スノードンでしょうか?」と聞いたら、「そうだと思うけど、多分。うーむ、あの山3000フィートを超える高い山だから、あれかもしれんよなあ、、、よーわからん、、、、、。」と自信なさげであった。(あとで地図を見ると間違いなくスノードンだったようです。)


スノードンをはるかに臨む。

A470 をフェスティニオグに向かって走っているつもりが、どこで間違えてしったのか、A496に入ってしまう。でも、間違ったおかげで全体がスレートでできているものすごい山を見ることができた。いかにも落盤しそうで、見ているだけで物騒であった。


全体がスレートでできて今にも崩れそうなおっかない山。

やがてA470に戻ることができ、快適なドライブを続ける。
スコットランドやヨークシャーでは木の生い茂った山を見ることはまれであったが、ウェールズの山は木が生えている。「緑のウェールズ」という意味が良く分かった。ここの風景も気に入ってしまう。ヨークシャーデールが大好きだが、ウェールズも素晴らしい。山も起伏がきつくなり、切り立った谷もあって、日本に似ている。(とは言っても、それはこのスノードニア山地だけのことらしく、ウェールズの他の地域はやはりなだらかになってしまっているのでした。)羊も少ない。その羊たちも山の斜面におっかなびっくり張り付いている感じである。

ダルゲロイの町の中には入らず、そのままA470を東に進路をとり、延々と走り続ける。スランゴイド・ホールでのアフタヌーン・ティーの予約を4時30分にしたのだが、もう3時近くになり、ちょっとあせる。スランブランマーの近くで、インフォメーションとトイレのしるしを見つけたので休憩。しかし、インフォメーションはどうやっても見つからない。ひょっとして、パーキングにあったあの地図が「インフォメーション」ということなんだろうか?


どうしてもツーリスト・インフォメーションの見つからなかった村の風景。何もないけどきれいだった。

スラングリグのあたりで前にでかいトラックが道をふさぎ、延々と大名行列となる。カーブの連続で、見通しが悪くて抜くに抜けない。この大名行列を避け、道を確認するために、パーキングで休憩。走り出してしばらくすると、後ろのくるまに煽られる。再度パーキングがあったので、このうるさい後続車をやり過ごそうと思ってウィンカーを出すと、そこにはさっきのでかいトラックが!しかも、そのトラックは、今まさにパーキングを出て行くところだった。うーん、なんたる間の悪さ!英国の道路は、基本的にスムーズに走れるのだが、このように大型トラックや、ヘイ(干草)を満載したトラック、農業用トラクターのあとには、延々と大名行列がつながっていることが多い。

4時過ぎにビュルス・ウェルズを通過。あと30分でスランゴイド・ホールに到着できるかどうか、、、、。そろそろかなー、と思うがそれらしき標識がなかなか出てこない。


Llyswen (Llangoed Hall)
4時半をまわり、あせり始めたとき、ようやくスランゴイド・ホールの看板を発見した。
時速60マイルも出ていると、急には止まれない。スラスウェンの町の手前でようやくUターンできるところを探して戻る。結局、スランゴイド・ホール到着は4時40分となった。予定より10分遅れたが、長距離移動を考えると上出来だと思う。

スランゴイド・ホールは、ローラ・アシュレイのご主人が、彼女の死後に買い取ったホテルで、ホテル中がローラ・アシュレイのデザインでコーディネイトされているという、美麗なカントリーホテルである。The AAの評価は赤四つ星、スモール・ラクシュリー・ホテルグループの一員である。

ここでのアフタヌーン・ティーは非常にすばらしかった。
午後のけだるい日差しの中で思い切りくつろいでしまった。ホテルの建物、スタッフの態度、ティーのサービス、味、それぞれ申し分ない。わざわざ訪れる甲斐のあるホテルだと思う。そのうち泊まってみたいホテルである。

まわりには何も無く、静けさだけが支配している環境だが、それがすばらしい。「素晴らしい景色ですね!」とウェイターに言うと、「あれがブラックマウンテン、そこに流れているのがワイ川、、、、」と丁寧に説明してくれた。

急にバリバリと静寂を破る音が聞こえてきたので、そちらを見ると、なんとヘリポートがある。先客がヘリコプターで帰るところだった。ロンドンあたりから来たゲストだったのだろうか。


スランゴイド・ホールの優雅なアフタヌーン・ティー。静かな環境で、思い切りくつろいでしまう。


Crickhowell
スランゴイド・ホールでまったりした時間を過ごした後、クリックハウエルを目指す。右手にプディングのような形の印象的な山が見えてくる。風景がヨークシャーに似ていて心が和む。

A40に入りしばらく走ると、小さなかわいい村に近づいてきた。クリックハウエルである。村に入り、道路わきに車を止めて村内を散策。ここは橋が有名なので、どこにあるのか探してみるが、なかなか見つからない。ようやく見つけて、写真をとって車に戻る。


クリックハウエルの町。確かに橋は美しかったが、対岸に渡らないとフォトジェニックな写真は撮れないのでした。


Glangrwney
本日の最終目的地、隣村のグレングラニーに向かう。予約した B&B、グレングラニー・コートへの道が分からず、間違った道路に入ってしまう。ウェブサイトで見た風景と違ってあせる。A40に戻ってしばらく走ると、ようやくこのB&Bの看板が出てきた。左折してアプローチを入っていくと、ウェブサイトで見た、ジョージアン・スタイルの建物が見えてきた。この宿の猫と犬が、車に寄って来る。

玄関に入るが、誰も居ない。レセプション・デスクの上の呼び鈴をちりんちりんとならすと、やさしそうなおばちゃんが出てきた。チェックインしている最中、黒いラブラドール・レトリーバーが足にまとわりつく。名前はバードだそうだ。

「朝飯はこっちのダイニングルームよ。何時にする?」と聞くので、「7時半だとつらいですか?」、と聞いたら、「シリアルだけだったらOKよ。でも8時でクックドミールつきのほうがいいわよ!」と言う。ホット・ディッシュ抜きの朝食はさびしいので、8時の朝食をお願いした。

ゲスト専用のラウンジも紹介される。下手なホテルよりよほど居心地がよさそうである。部屋に通されると、これがすばらしい。二人で55ポンドの部屋とは思えない。このB&Bのウェブサイトで見たときも、魅力的なインテリアに見えたが、現物はその写真よりもずっとずっとラブリーである。家具も小物も、オーナーの趣味が反映された洒落たものが置いてある。ベッドルームもバスルームも広くて居心地がよさそう。「インターネットで見たのよりもずーっと素敵ですね!」とオーナーに言ったら、「そーお?うれしいわ!」と喜んでいた。


グレングラニー・コートにて。中は玄関ホール、右は我々の部屋。

さっきスランゴイド・ホールでしっかりアフタヌーンティーを食べてきたばかりで、ぜんぜんおなかが空いていない。本日は夕食はぬくことにした。

バスルームには香りの良いアロマオイルが置いてあり、ゆっくりとバスでくつろぐことができた。寝る前に、妻と今日通ったコースを確認する。どこをどう通ってきたかよくわからないのだ。何しろ、ウェールズの地名は、ほとんど読めない。この村、グレングラニーにしたって、 Glangrwyneyなんて綴りである。LLだとかDDだとか、子音がつながった綴りも多く、ほとほと困惑するのがウェールズの地名なのである。


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