2002年8月15日 (木曜日) 快晴 最高気温22度

Aberdeen - Crathes Castle - Ballater - Braemar - Dunkeld - Dunkeld - Birnam - Drummond Castle - Kinbuck


時差があるためか、朝6時に目が覚めてしまう。
寝れないので、ホテルの外を散歩。この早朝にもかかわらず、犬を連れて散歩しているゲストに出会う。さすがにスコットランド、朝早いうちは半袖だとちょっと寒い。庭園は広い芝生で、その周りを英国スタイルのボーダー花壇が取り巻いていた。寒くなってきたので、早々に部屋に帰る。


左は庭園側から見たアードー・ハウス。2階の左から2つ目の出窓のある部屋が我々の部屋。右は庭園の花。

朝食はフル・スコティッシュ・ブレックファスト。
昨日は移動ばかりでろくなものを食べていなかったので、うれしがってしっかり食べる。ヨーグルトが美味だった。昨年も感じたことだが、英国の乳製品ははずれが少ないように思う。

8時ちょっと過ぎにチェックアウトし、タクシーでアバディーン市内のレンタカー屋さんへ。
タクシー・ドライバーが親切だった。「この川がディー川だよ。これをさかのぼるルートは、スコットランドでもベストルートだよ!バラター、アボイン、ブラマー、それぞれ素敵な町でね、、、、、」と、しきりに観光案内とふるさと自慢をしてくれた。


Aberdeen
サマーストリートのレンタカー屋さんに到着。去年は初めての英国ドライブということで、大手のAVISを使ったが、今年はウェブサイトで値段重視で調べた結果、アメリカ資本のALAMOを利用することになった。ALAMOは英国最大のレンタ・カー・チェーン、National Car Rentalと提携しており、オフィスも、両方のブランドの看板が出ていた。

インターネットで予約が完了しているので、レンタカーの借り出しは非常に簡単である。出てきたくるまは、トヨタのアベンシスだった。日本ではお目にかかれない、輸出専用車である。カルディナ・ワゴンを5ドア・ハッチバック・セダンにしたしろものである。トヨタのくるまに共通する特徴だが、アクセルの反応が過敏で、街中を走るにはよいのだが、少々疲れる車だった。

レンタカー・オフィスを後にして、市内から郊外に脱出する際に、おおいに迷う。市内をぐるぐる走っているうちに、ようやくA93に乗り、ディー川に沿って快適なドライブがスタートした。天気もスコットランドには珍しく快晴で、絶好のドライブ日和である。


Crathes Castle
最初に訪れたのはナショナル・トラストが管理しているクラシズ城。
今回の旅行では何箇所かナショナル・トラストの管理している施設や庭園を訪問する予定なので、さっそくメンバーシップ入会手続きをする。このメンバーシップカードを提示すると、スコットランドだけでなく、イングランド、ウェールズ、北アイルランドのUK全体のナショナル・トラストの施設の入場料が無料となる。「入会したいのですが、、、、」と申し出ると、係りのおばちゃんはとても親切に対応してくれた。


クラシス城へのアプローチ。朝早いので観光客が少なく、静かだった。ここの庭園は典型的イングリッシュガーデンで、美しかった。

クラシズ城は見所がたっぷりある素晴らしい城だった。
部屋の天井の梁には、この城が建立された当時の絵画が残されている。また、城に住んでいたご領主様一家の生活がしのばれる家具や調度も素晴らしかった。また、庭も良かった。涼しい気候のせいか、アジサイをはじめとして、春から秋の花が全部きれいに咲いていた。


Banchory - Ballater
その後A93 をバンコリーに向かう。
この町は期待はずれだった。観光客相手のちゃかちゃかした店ばかりで、あまり見所の無い町だった。バンコリーからバラターの間は、道路とディー川が接近し、川面がよく見えるようになってくる。確かに、今朝のタクシーのドライバーが言っていたとおり、眺めは最高に良い。川の護岸工事をしていないので、川岸の風景が素晴らしい。日本もこうあって欲しい。
バラターの町で車を止めてしばし観光。バラターは良い町だった。たたずまいが落ち着いていて自然である。


バラターの街角で。右側はバラター近くを流れるディー川。A93に沿って流れている。

ここでA93から外れて対岸に渡り、B道路でブレーマーを目指す。途中、ハイランド・カトルに出会う。この牛は、スコットランド特産の牛で、茶色の毛に包まれ、大きな角を持った愛嬌のある動物である。すかさず記念撮影。
この最中、狭いB道路にくるまを止めて撮影していたが、それでも交通の邪魔にならないほど、交通量が少ない。

ブレーマーの直前でA93に戻る。地図によると、このあたりに女王陛下の滞在するバルモラル城があるはずなのだが、それらしき表示が出てこない。うーん、違う道を走ってしまったのであろうか。


ハイランド・カトル。前髪がかわいい。


Braemar
そうこうしているうちに、ブレーマー城が見えてきたので、パーキングへ。この城はクラシス城と違ってナショナルトラストの管轄ではないので、別途入場料が必要だった。お城の中は、クラシス城よりもちょっと豪華だが、クラシス城ほどの歴史の重みはあまり感じない。


ブレーマー城はクラシズ城のような庭園がなく、男性的な城。

昼時になったが、朝食をしっかり食べているので、おなかがまったく空かない。ブレーマー城の売店ででアイスクリームとクリスプス、ジュースを買ってこれで昼食の代わりとする。
(その後も、英国旅行中は、まともな昼食をとることは極めてまれでした。フル・ブレックファストを食べると、あまりのボリュームのために、まともな昼食はのどを通りません。そのため、クリスプスとジュースを車中で食べる程度で十分夕方までもちます。クリスプスは、ウォーカーズのチーズ&オニオン、ジュースはオアシスという銘柄のが美味です。)



A93
ブレーマー城を出たあと、ダンケルドへ向かう。
その道中は荒涼としたカールが広がり、いかにもハイランドと言う風景が広がる。さすがスコットランド、ヘザーが赤紫の花をつけて、いたるところに美しく群生している。(その後、ノース・ヨーク・ムーアでヘザーの海とも言うべき群生を見て、上には上があると実感しました。)

交通量は非常に少ない。こちらも時速50マイル以上は出ているのだが、時々それ以上のスピードで追い抜いていくくるまがあった。英国の田舎道のスピード感は日本のそれとはかなり違う。

A93は、さびしくも感動的な道だった。途中、雉が道路の真ん中を歩いていてびっくり。英国の田舎道を走っていると、ウサギやリスなどの小動物の死骸を道路上に見かけることがに多いが、良く見ると哺乳類だけでなく鳥類も多い。動作がとろいのだろうか。


ハイランド風のヘザーの広がるグレン(谷)。白く見えるのは羊さん。


Dunkeld - Birnam
ダンケルドは観光客でにぎやかな町だった。しかし2分も走ればバーナムという別の町にになってしまうほど小さい。
バーナムには、バーナム・インスティテュートというミュージアムがあって、ピーター・ラビットで有名な、ベアトリクス・ポターのエキシビションとガーデンがあるので訪問した。

2002年は、ピーター・ラビット100周年ということで、かなり盛り上がっているのかと思いきや、全然そんなことはなかった。
100周年グッズは、小さなキーホルダーのみだった。また、ショップで働いているおばちゃんたちは、推定70歳以上の方ばかりで、みんな元気で活き活きと仕事をしていた。
ガーデンはたいした庭ではなかったが、ブロンズのウサギの像がかわいかった。


バーナムのポター・ガーデンの入り口と、ガーデンのウサギたちの彫刻。ピーターとその兄弟でしょうか?右はバーナムの町並み。


A822
バーナムからA822の山道に入ってクリーフを目指す。
途中、アザミの花がたくさん咲いている橋を見つけたので、くるまを止めての撮影となる。アザミはスコットランドのシンボルで、スコットランドのツーリスト・インフォメーションのマークなど、いろんなところにに使われており、ちゃんとした写真を撮っておきたかったのだ。


クリーフへ向かう途中の山道。川べりにたくさんアザミが咲いていた。日本のものより小ぶり。


Drummond Castle
クリーフは意外にに大きな町だった。そこからさらに道をそれて、ドラモンド城に向かう。入り口のゲートがとても小さく、「あ!」と思っているうちに走りすぎてしまい、マスィルの町まで走ってから戻る。道が細くてスピードが出ているために、そこまでUターンできる場所がなかったからである。

お城までの道は、その昔、ご領主様の馬車が通っていたと思われるほそーいながーい道で、道の両側に大木の並木があり、昼でも薄暗い。ドラモンド城に着くまで5分ぐらいかかる。

この城の見所は、その幾何学庭園である。自然の景観に近づけようとする一般的な英国の庭園と異なり、ヨーロッパ的な整形された庭園である。さすがに見ごたえのある庭園で、本格的なカメラを持って撮影している人がかなりいた。その中の一人のフランス人のおじさんに写真とってもらう。デジカメで撮影するのは初めだそうで、ずいぶん驚いていた。


ドラモンド城の庭園にて。映画「ブレイブ・ハート(メル・ギブソン主演)」にもロケ地として使われました。


Kinbuck (Cromlix Hotel)
本日の宿泊先は、クロムリックス・ハウス・ホテルである。The AA(英国自動車連盟)の評価は赤三ツ星であり、英国の優れた小ホテルのグループ、「プライド・オブ・ブリテン」の一員でもある素晴らしいホテルだそうだ。

ドラモンド城からマスィルを抜けて田舎のB道路を淡々と走っているうちに、ホテルの案内表示が現れたので、右折。ここもB道路からホテルまでのアプローチが長い。

さすがに赤三ツ星のホテルだけあって、レセプションは素晴らしいインテリアだった。チェックインして部屋に案内してもらう。今年の旅行はわが夫婦の結婚10周年記念旅行なので、奮発してしてSuites Roomを予約しておいたが、それにしても良い部屋だった。ミラー・ムーアという名前の部屋で、クロムリックス・ハウスのウェブサイトにも紹介されている、いわば看板娘ならぬ看板部屋だった。広いベッドルームと、くつろげるシッティングルームの2部屋、そしてバスルームである。うーむ、ぜいたくすぎたかも。そのうち罰が当たりそうである。


クロムリックス・ハウスの庭園側。ウサギがたくさん遊んでいた。部屋はスーツですばらしかった!

ディナーもThe AAの赤ロゼット2つだけのことはあり、美味だった。
妻はシー・バスのオードブル、オニオンスープ、ラムのソテー、バニラのパンナコッタを選んだ。私はウッドピジョンの前菜、ポテトケーキチーズ乗せ、ハリバット、りんごのフリットという選択。8時を過ぎても、まだ明るい。庭を見ると、うさぎたちが飛び跳ねている。自然が豊かなホテルである。

英国のホテルらしく、「コーヒーはラウンジでお飲みになりますか?」と聞いてくるので、もちろんよりくつろげるラウンジを選ぶ。英国のカントリーホテルでのコーヒーは、必ずガラス製のポット(ハリオというブランドが多い)に入れてサーブされる。日本では紅茶を出すときに使うのだが、英国では、紅茶は陶器もしくは銀製のポットにしか入れないようだ。

食後、PCにデジタル写真を送り込み整理。E-MAILも久しぶりに取り込む。ウェブサイトで明日からの天気を見てみると、しばらくは好天が続きそう。寝る前に、リーズ在住の後輩YS君に電話。日曜日にヨークシャーのサースクの町で落ち合う予定なので、その計画について打ち合わせる。


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