2001年8月11日 (土曜日)
湖水地方滞在
Windermere - Ambleside - Grasmere - Hawkshead - Near Sawrey - Coniston - Windermere


今日は朝から雨。例によってフル・イングリッシュ・ブレックファストを食べる。ソーセージがカンブリア・ソーセージとなっていたが、相変わらずのもちゃっとした噛み心地のソーセージである。ほかの英国ソーセージとどこが違うのだろうか?部屋に戻る途中の階段の横が、全面ステインドグラスになっていて、雨の日の軟らかな光が射し込んでいてとても美しかった。


ラングデイルチェイスの朝食。お皿の中央右がカンブリアソーセージ。右は階段のステンドグラス。


Ambleside
そろそろ現金が乏しくなってきたので、両替をしなければ。
フロントで、どこにいったら土曜日でも両替できるか聞いたら、ウィンダミアかアンブルサイドのツーリスト・インフォメーション・センターへ行くと両替できますよ、とアドバイスされたので、早速アンブルサイドへ向かう。

昨日、船で到着したウォーターヘッドに「i」のマークがあったのを覚えていたので、そこにまず出かけてみたが、まだ開いていなかった。
Multimap.comで検索してプリントアウトしておいたアンブルサイドの詳細地図を引きずり出し、「i」を探してみると、もう一軒は町の中心部にある事が分かり、さっそくそちらへ移動。途中、フラワーショーをやっていたが、雨のため人影もまばらだった。

TIC(Toursit Information Centre)の近くは、まさしくアンブルサイドの中心部で、可愛い店が並んでいた。
人も雨の割には多い。と言っても、ボウネスのような慌ただしさはなく、観光客もフットパスを歩くようないでたちの人が多い。また、お店もアウトドア関連の商品を扱うところが多い。

TICで早速両替。空港の両替より若干レートがよかった。
また、ここではアーサー・ランサム関連の書籍をいくつか発見した。レッドフォックス版のペーパーバックで、Swallows & Amazons(「ツバメ号とアマゾン号」), Big Six(「6人の探偵たち」),また「ランサムゆかりの土地を歩くための本」本などを購入。またその近くの本屋でSwallowdale(「ツバメの谷」)を購入。ランサム・サーガのご当地で買えたことがとてもうれしい。ページを繰って原語版をしばらく読む。うーん、こういう表現だったのか・・・感激。妻はランサム中毒者ではないので、私が興奮しているのを不思議そうな目つきで見ている。

定番観光コースのブリッジハウスの前で写真を撮り、グラスミアへ移動する。


アンブルサイドの本屋さんの前で。Swallowdaleを購入した。右はアンブルサイドのシンボル、ブリッジハウス。


Grasmere
途中のライダルウォーターは、驟雨に煙り、しっとりとした素敵な風情だった。グラスミア湖も雨に煙っていた。
パーキングに車を止め、湖岸目指して歩き始めるも、なかなか湖岸が見えてこない。これまたMultimap.comで検索した地図をチェックしてみると、湖岸からはかなり離れていることが分かったので、湖岸に出るのは諦めて、手近なガーデニングショップに入り、湖水地方のお土産などを見繕う。スレートの名産地なので、スレートでできた製品が多い。

その後、ワーズワースの眠るセント・オズワルド教会の前のジンジャー風味のショートブレッド屋さんへ向かう。
Sarah Nelson's Grasmere Gingerbreadというお店で、19世紀のレシピでジンジャーブレッドを連綿と作り続けているので有名らしい。そのジンジャーブレッドは、素朴な味がした。

また、ヒラリー卿がエベレスト遠征にも持って行ったという、ケンダルミントケーキを見つけたので購入した。パッケージにヘタウマな羊が描いてあり、いかにも素朴な地場産品という感じだ。後日、食べてみたが、あまりうまいものではない。「目が覚めるほど甘い歯磨き粉を食べてるみたい」という人もいるぐらいの味なのである。^^;


セント・オズワルド教会の奥が駐車場だった。中は湖水地方の珍味、ケンダル・ミントケーキ、右はグラスミア・ジンジャーブレッド。

その後、ワーズワースの住んでいたダブ・コテージへ向かう。
さすがにここに来ると、日本人の濃度が一気に上がった。まずダブコテージに併設されたワーズワース・ミュージアムへ。学生時代、一応英国ロマン派文学などもかじったので、「水仙」の自筆原稿を見て感激する。ショップでは「水仙」関連グッズをしこたま買ってしまった。

その後、ダブコテージの中へ入る。天井が低い。ガイドのおばさんに、「ワーズワースってちびだったんですか?」と聞いたら、「昔の人は栄養が悪かったからねー、背が伸びなかったのよ。」とのことだった。
表はホワイトウォッシュの外壁が、このあたりのスレート積の外壁に比べて印象的だ。中は昔ながらのイギリスの民家で味わいがある。日本人ツアーのガイドさんの話を便乗して聞かせてもらう。


ダブコテージにて。右はコテージの2階の窓から覗いたところ。同じ風景をワーズワースも見ていたのだろう。


Hawkshead
その後、ベアトリクス・ポターの原画を見るためにホークスヘッドへ。
アンブルサイドからホークスヘッドへ向かう道は狭いと聞いていたので、恐る恐るポロを運転していったが、愛知県山間部、特に稲武から岐阜県明智や上矢作に抜ける道に比べれば、まだましである。すれ違いがちゃんとできるし、バスだって通れる道だった。

ホークスヘッドにつくと、なぜかパーキングが異常に混んでいる。
よく見たら、アンティークフェスティバルが開催されているようだった。ここは「P」と「i」と「トイレ」が三点セットになっているのでとても便利。車を駐車させて、トイレに行って、TICへ。地図をもらう。それを見ながらベアトリクス・ポター・ミュージアムに行くと、なんと土曜日は休館日。うーむ、事前調査が、、、、。土日に休館している施設があると思わなかったのが甘かった。
駐車料金の1ポンド20Pがもったいなかったが、しばらくショップ巡りでぶらついた後に、ニア・ソーリーへ出発。


閉館していたポターミュージアムの前で。英ポストは昔ながらの赤い円柱。右は隣のパブ。花が綺麗!


Near Sawrey
車で15分ぐらい細い田舎道を走る。左手にエスウィト湖が見えてくる。小雨に煙り、幻想的な風景だ。
車を止めて写真を撮りたいが、スピードは速いし、路肩は狭いし、止める場所が見つからない。しょうがないので、妻に撮ってもらう。
ちょっと民家が固まり始めたな、と思ったら、そこがニア・ソーリーだった。うっかりしていると、通り過ぎてしまいそうになるほど小さな村だった。カンブリアのなだらかな丘陵地帯が美しい。
とりあえずおなかが空いたので、バックル・イートというB&B兼ティーハウスに入り、クリームティーを頼む。最近、夜と朝がヘビーなので、昼はこのぐらいでちょうどよい。ここはポターのお話にも出てくるお店らしい。


走る車の中から見たエスウェイト湖。右はニア・ソーリーのB&B、バックル・イート。

その後、すぐ近くのヒル・トップへ向かう。
ここもベアトリクス・ポターの住んでいた家、ということで、日本人濃度は濃かった。入り口で入場料を払ったときに、ナショナル・トラストへの入会を勧められる。入会方法を聞いていたら、混んできたので、後程説明を聞くことにした。

ヒル・トップの中に入ろうとしたら、「まだ外で待ってて」と、注意される。
よくよく入場券を見たら、我々の入場は15:05、20分後だった。ようやく「3時5分の人、どうぞー!」と呼ばれて、中へ入る。口蹄疫騒動の影響か、靴の上にビニールのオーバーシューズを履かされる。ヒル・トップは2階建ての素朴な建物だった。中の印象は、ダブコテージとよく似ており、昔の人の質素な生活が伺える。


ヒル・トップにて。


Coniston
その後、コニストンへ向かう。
ホークスヘッドを過ぎたところに、「左折:ブラントウッド」となっていたが、「コニストン」という表示ではなかったので、無視して走っていたらアンブルサイドの直前の橋のところまで来てしまった。大回りもいいところである。そこから再び「コニストン」の表示に基づき左折。晴れていたらさぞかし美しいだろうと思われる緑のトンネルの田舎道だ。細い道だが、走っている車が少ないので走りやすい。

コニストンでも失敗をしてしまった。
湖岸のパーキングに入れたつもりが、実はそれは湖岸手前のPだった。1ポンドなにがし払ったのにもったいない。ちょっとコニストンの村を回ってから、ブラントウッド方面に走る。右手に湖面が見えてきたが、雨にけぶっており、荒涼とした風景だ。
ランサムファンとしては、ぜひ山猫島を見てみたかったが、この雨ではどうしようもない。湖尻のPに車を止め、「とりあえずコニストンまで行ってきました」というアリバイ写真を撮って、すぐにホテルに帰ることにした。


コニストン湖の北岸にて。「Conistonに行ったよ」アリバイ写真。

ホークスヘッドに向かって走っていると、「左折:アンブルサイド」の表示。条件反射的に左折する。
これが、今までで一番細い道だった。でもほとんど対向車が来ない。途中Drunken DuckというB&Bがあった。車がたくさん駐車している。よくこんなところまで来るよなぁ。よほど良いB&Bなのかもしれない。(後で調べたら、やはり有名なガストロ・パブなのでした。)

さて、この道の見所は、というと、羊である。
道路の右も左も、雨に打たれてうな垂れている羊ばかり。途中、川岸に車を止めるスペースがあったので、車を止めて羊の写真を撮りにでかける。近くによるとメーメー、ベーベーとにぎやか。英語で羊はBaaと鳴くことになっている。発音はバァーなんだろうか、それともベェーなんだろうか。
ちょうど日暮れ時で、羊さんもおうちに帰る時間らしく、近づいていくと、とっとことっとこ逃げていく。


雨に打たれる羊さん。夕暮れなのでおうちに帰るところ。

写真を撮ってから、すぐにアンブルサイドを経てホテルへ。
どういうわけかウィンダミア方面からアンブルサイド方面の道が大渋滞していた。アンブルサイドのフラワーショーの影響だろうか。


Windermere
ディナーは7時に予約。
食べてみると、昨日よりはましな味で、AAの赤ロゼット2つの片鱗を見せつけた。例によってラウンジでコーヒー。
昨日にも増して、着飾ったカップルが多い。女性同士のカップルもやはり多い。週末だからであろう。宿泊客よりも、よそから食べにきている人のほうが多い感じ。

早めに部屋に帰り、くつろぐ。
リーズに住んでいる後輩のYS君に電話する。明日、ハロゲイトで20年ぶりに再会する予定なのだ。
彼の情報に寄れば、SwaledaleのReethという村に、うまいヨークシャープディングを食べさせるパブがあるらしい。名前は、ごくありふれた名前のキングス・アームズとのこと。このキングス・アームズ、英国のパブの中では一番多い名前ではないだろうか。そこらじゅうで見かけた。
ちなみにホテルの名前で多いのは「スワン」。「ホワイトスワン」「ブラックスワン(日本語に訳すと黒い白鳥でヘンですが、、、。)、「スワン・イン」など、たくさんあった。

食後、本日撮影した写真をPCに送り込み、出来の悪い写真を捨てる。明日のルートをよーく頭に叩き込んで、就寝。
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