2001年8月7日 (火曜日)

Nagoya - Heathrow Airport - Oxford


朝、6時起床。東名高速道路上の東名三好のバス停まで、義姉に送ってもらう。
6時59分のバスにかろうじて間に合う。名古屋空港国際線ターミナルに、7時40分到着。しばらく名古屋空港から国際線に乗っていなかったが、まったく新しいビルになっていた。あと4年ほどで伊勢湾に中部新空港ができるのに、ずいぶんお金をかけている。もったいない。

チェックインカウンターはさすが夏休みとあって、大混雑。
1階の東海銀行で両替してからチェックインしようと思っていたが、この混雑を見ていると、チェックインに手間取りそうだったので、結局両替に行くのを諦めてしまった。

イミグレーションの前に並びながらEDカードを書き上げる。
パスポートとともに提出したら、「あ、それ、もういらないんです。7月1日より廃止されました。」とのこと。拍子抜けした。

9時30分、ほぼ定刻に出発。
ヒースロー空港直行便なのでかつてに比べると大幅に時間短縮したが、それでもこれから12時間は、時間潰しが大変だ。
とりあえずしばらく和食を食べることは出来ないと思ったので、昼食は和食をチョイス。雉丼と茶蕎麦だった。昼食後、エビアンのミニボトルが支給された。水分をなるべくたくさん摂らせてエコノミークラス症候群対策としているのか。映画を1本見て、しばし昼寝。目が覚めたら、夕食(昼食か?)の時間だった。

英国時間で午後1時45分にヒースロー空港到着予定だったが、かなり早くヒースロー近辺の上空に到着した。でも、シートベルト着用サインがなかなかつかない。滑走路待機中、ということだろうか。下を見下ろすと、雨模様のようだ。ようやくシートベルト着用サインが点灯し、2時ジャストにランディングした。

Heatrhow Airport
機内ではあまりよく眠れなかったので、眠い目をこすりながらイミグレーションへ。
何日滞在するのか、ぐらいしか聞かれなかった。悪名高いヒースローのバゲージダウンも、スムーズに終了。

アライバルゲートへ向かう。
まず両替。空港は交換レートが悪いと聞いていたが、日本を出るときに両替できなかったのでしょうがない。1ポンド189円ぐらいだった。
スーツケースを引きずって、セントラル・バス・ステーションへ。ターミナル3からターミナル2まで、地下の通路を移動。途中何人かの現地人と思しき人々に、「この道でいいのかな?」と確認したが、その都度丁寧に教えてもらい、大いに助かる。

午後2時40分にターミナル2のセントラルバスステーション到着。案内表示を見ると、オックスフォード行きのコーチ停留所は10もしくは15となっていて、15には、ご丁寧にも「ナショナルエクスプレス専用」とあったので、そこにいく。

時刻表を見てびっくり。オックスフォード行きのバスなんて載っていない。
その場にいた、外国旅行帰りの学校の先生の団体の一人に尋ねる。そのおばちゃんも一緒になって時刻表を見てくれたが、わからない。
「あそこに黄色いベストを来た人たちがいるでしょ。あの人たちに聞いてみたら?」とのこと。黄色いベストはバス会社の人だった。確認すると、10番だった。わからない事があったら、わかりそうな人に尋ねるのが、一番手っ取り早い。

スーツケースを引きずって、10番停留所に向かう。チケットはすでにナショナル・エクスプレスのウェブサイトで購入済。ハイシーズンには、満席になる事もある、などと物騒な事が書いてあったので、あらかじめ購入しておいたのだが、実際には空席のほうが多い。


ナショナルエクスプレスのバスストップにて。10番のバス停。右はあらかじめ買っておいたバスチケット。

コーチは定刻より10分送れて、15:10に出発。
のどかなカントリーサイドを横手に見ながら、M道路に入る。道路脇の木にオレンジ色の実がなっている。りんごにしては小さいし、何だろう?また、背のたけ1mぐらいのピンクの花がところどころ咲いている。見たところ、キンギョソウのようにも見えるが、スピードが速すぎて確認できない。
Oxford近くで猛烈な雨となってきたが、外を見ても傘を差して歩いている人はほとんどいない。


Oxford
ほぼ定刻通り、16:30にオックスフォードのバスステーションに到着。
当初、バスステーションでバスを降りたらタクシーでホテルまで行こうと考えていたが、こちらの思惑とは裏腹に、バスステーションは主要道路からかなり奥まったところにあり、タクシーの姿が見えない。

うーん、困った。雨も降っているし、どうしよう。
でも、地図を見ると、歩いて歩けない距離ではなさそうだ。バスステーションからホテルまでは、1kmぐらい、10分程度の距離のように見える。妻と顔を見合わせ、「しょーがない、歩こう、、、、、。」ということになった。

気合いを入れなおして、小雨の降る中、スーツケースをごろごろ引きずる。
途中で、迷ってしまう。地図を出してまわりの風景と確認していたら、やさしそうなおばちゃんと目が合った。「迷ったの?」と聞かれたので、やれうれしやと、「オールド・パーソネッジホテルに行きたいんですが、、、、」と尋ねる。彼女は、笑顔で大きくうなずき、外国人相手のゆっくりとした口調で説明してくれた。
「ここまっすぐいくと信号があってね、そこにランドルフって言うホテルがあるんだけど、そこを左に曲がってしばらく行くと教会があるの。その教会のところで道路が二股に分かれるから、右のほうに行ってね。教会のすぐ裏よ。ここからだったら歩いて10分ぐらいかしら。15分はかからないわよ。グッド・ラック!」と、丁寧に教えてくれた。丁寧にお礼を言って、そのとおりに歩いていくと、ラベンダーセージのこんもりと茂っている横にOld Parsonage Hotelのサインが出ている。左手を見ると、ウェブサイトで見た、あの古めかしいホテルが建っていた。


オールド・パーソネッジ・ホテルの看板です。

チェックインは、The AAのウェブサイト経由でから予約してあったので、とてもスムーズだった。
「日本から予約した黒顔羊といいます。チェックインをお願いします。」と言うと、「はい、確かに承っております!」と、宿泊カードを差し出される。ウェブからの申し込み事項をもとにして、すでに宿泊票がつくってあり、名前がタイプしてあるので、そこに現住所を記入し、サインをすれば完了。サインはパスポート通りなので、日本語でOK。「明日の朝の新聞は何になさいますか?」と尋ねられたので、ええかっこしいで「ザ・タイムズをお願いします。」と答える。^^;
なお、このチェックインのスタイルは、後のホテルもほぼ同じで、まず名前の確認、現住所の記入とサイン、そして翌朝の新聞の銘柄確認というのがお定まりのようだった。

部屋は2階。ポーターのおにいちゃんが重いスーツケースを運んでくれた。英国のチップの相場がよくわからないので、1ポンドもはずんでしまった。
英国的な趣味で統一された可愛い部屋だった。エアコンはないが、最高気温20度ぐらいなので、しばらく休んでいると汗がひいてくる。部屋から庭を見ると、シュウメイギクがさいていた。ピンクと白。シュウメイギクは日本にしかないもんだと思い込んでいたので、意外だった。また、ラベンダーセージの大株も要所要所に咲いているのが目立った。


オールド・パーソネッジのベッドルームとガーデンに咲く秋明菊。

部屋で少し休憩した後、オックスフォードの市内観光へ出かける。
徒歩で10分ほどで、中心部到着。歴史の有りそうな石造りの大きな建物が多い。どの店も、店先は可愛い花で飾られ、とても美しい。初めのうちは一軒ずつ写真を撮っていたが、あまりの数の多さに、途中で諦めた。


oxfordのハンギング・フラワー。

クライストチャーチ・カレッジの前に、アリスショップがあった。
そう言えば、クライスト・チャーチといえば「不思議の国のアリス」の著者、ルイス・キャロルが教鞭を執っていたところだった。閉店時間間際だったが、英国到着最初のショッピング。アリスのティータオルやトランプ、指貫などを購入。オックスフォードで一番有名なホテル、ランドルフでアフターヌーンティーでも、と思って訪れるが、すでにアフタヌーンティーの時間は終了していた。(通常、午後2時〜5時というパターンが多い。)ランドルフは思ったほどゴージャスなホテルではなく、落ち着いた田舎のホテルといったたたずまいだった。。

ホテルへ戻り、妻と夕食の相談。
体内時間は日本時間のままだから、真夜中である。しかも移動の疲れもある。「あんまり重いものは食べたくないなぁ。」というのが共通の意見。とりあえずガイドブックを見る。ホテルの近くに「庶民的で美味しい」と紹介されている「ブラウンズ」というレストランがあるらしい。また、ホテルのちょっと先に「ジーズ(Gees)」といレストランがあり、「オックスフォードで一番」とのこと。
さあ、どっちにするか?「素敵なレストランもいいが、ドレスコードがうるさいよなぁ、着替えるのは面倒だし。」というわけで、あっけなくブラウンズに決定。

地図でブラウンズの位置を確認し、ホテルを出て歩いてみると、あっけないほど近い。裏庭から通りをはさんですぐだった。
時差と移動の疲れで食欲がないので、サンドイッチでも頼もうと思ったが、横で現地の人がサンドイッチを食べているのを見ると、かなり量が多そうだ。そのため、私はステーキパイ、妻はフィッシャーマンズパイを、それぞれ単品でオーダーする。

英国料理はまずいものとよく言われているが、この店の料理はなかなかに美味だった。
「イギリスの料理は塩辛いか、味がしないか、どちらかだ。」なんて話もよく聞くが、ブラウンズの味付けはどちらでもなく、きわめて正しい塩加減だった。たくさん盛り付けられたチップスもうまい。インゲンもくたくたになるまで煮てあるものが多いと聞いたが、ここのはしゃきっとしていて美味。付け合わせのイタリアンパセリは香りがいまいちだったが。


Brown'sの店内と、ステーキパイ。くどそうに見えますが、それほどでもありませんでした。

このブラウンズ、評判の店にふさわしく、お客さんの数も多くにぎやかだ。
店内には観葉植物がたくさんおかれており、また天井の窓からの自然採光で、明るく居心地が良い。スタン・ゲッツのボサノバや、1950年代のJAZZが薄く流れていた。庶民的なレストランで、家族連れが多い。ちっちゃな男の子が、アイスクリームが3つも乗ったデザートを注文してもらって、きゃっきゃ言って喜んでいた。誕生日なんだろうか。
値段は、日本より高めである。二人で18.5ポンド。チップは10%ぐらいだろうと判断して、21ポンド置いてきた。

ブラウンズを出たのが午後8時過ぎだったが、まだ明るい。
高緯度の英国では、夏の夕暮れは遅い。9時過ぎてようやく日が落ちてきた。日本とは8時間の時差があるので、日本時間だと明け方の5時となるわけで、当然眠い。でも、もう少し起きていたほうがジェットラグの解消には有効なので、我慢して起きていることにする。

明日の計画をレビューした後に、部屋からインターネット接続を試してみる。
PCは東芝のダイナブックSSを持ってきた。電源はインターナショナル仕様なので240VでもOKなはずである。さっそくコンセントにBF型のソケットコンバーターを差し込み、PCのACブリックをつなぐ。コードが燃え上がったりすることもなく、何の問題もないようだ。

また、電話機の横にはUS・日本タイプのモジュラージャックがついており、いわゆるUKスタイルの平べったいモジュラープラグ変換コネクタは必要なかった。電話のかけかたを確認する。外線は9を入れて、と。
日本で設定済みのBiglobeのUKアクセスポイントにつなぐ。「ルル〜、ピーギャー、ヘロヘロヘロ・・・・・・」と、あっけないほど簡単につながった。

英国到着のE-Mailを送信。リーズに住む後輩のYS君からのE-Mailも受信。「仕事は順調に終わったので、日曜日にはからだが空きます!」とのことだった。今からハロゲイトで会うのが楽しみである。20年ぶり以上になるかも。

デジカメで撮影した写真をPCに転送する。ディスプレイを見ながら、必要な写真を選り分け、PCに転送しておく。

写真整理を終えて、ようやく入浴タイム。
このホテルは、熱い湯が気前良くたっぷりと出る。シャワーも快調に使える。イングランドの古いホテルは給湯関係がネックだと聞いていたが、さすがにThe AAのホテルランク4スターは伊達ではないようだ。ホテル備え付けの石鹸もシャワージェルも趣味の良いものを使っている。
入浴後、爆睡。オックスフォードの中心部に近いのに、とても静かなホテルだった。
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