William Morris - Wallpapers & Textiles

Wallpapers

1861年4月11日に、ウィリアム・モリスは「絵画・装飾彫刻・家具・金工の美術職人集団」、モリス・マーシャル・フォークナー商会を設立しました。
この通称「モリス商会」の設立当初の仕事は、ステインドグラス製作が多かったようですが、設立2年目から始められた壁紙のデザインは、やがてモリス商会の主力事業に育っていきます。

花や植物、小動物をモチーフにした壁紙は、華やかなものから落ち着いたものまで、様々なデザインが製作されましたが、どれも一目でモリスの作品と分かる特徴を持っています。壁紙のデザインこそは、モリスのパターンデザインの才能がもっとも発揮された分野と言えるのではないでしょうか。1世紀以上を経た今もなお、多くのファンの心を捉えています。

モリスの壁紙のデザインのうち、最も古いものは、「格子垣(Trellis)」「雛菊(Daisy)」「石榴(Pomegranate)」の3点です。また、後期になると、モリス自身は社会主義者としての活動が忙しくなってきたためか、壁紙をはじめとして、モリス商会のデザインは、弟子のダール(J.H.Dearle)に任されることが多くなっていきました。

ダールは、タペストリーからステンドグラスに至るまで、商会の後期作品のほとんどをデザインしました。ステンドグラスのデザインでは、あまり良いものを残していませんが、壁紙やテキスタイルのデザインには、素晴らしい作品を残していると思います。

かつてはウィリアム・モリス自身のデザインと思われていたものの中にも、実際にはダールのデザインであったものがいくつかあったようで、パターンデザイナーとして、ダールはもっと再評価されてしかるべきだと思います。

また、モリスの下のお嬢さん、メイ・モリスも「ハニーサックル」のデザインを起こしており、これを見ると、父の才能がやはり娘にも遺伝しているような気がします。

Acanthus

Anemone

Artichoke

Buchelors Button

Blackthorn (J.H.Dearle)

Bower

Celandine (J.H.Dearle)

Chrysanthemum

Compton (J.H.Dearle)

Daisy

Fritillary

Fruits(Pomergranate)

Golden Lily (J.H.Dearle)

Grafton

Honeysuckle (M.Morris)

Horn Poppy

Indian

Iris (J.H.Dearle)

Jasmine

Larkspur

Leaves

Ley

Marrigold

Peach

Pink and Rose

Pinpernel

Powdered

Rose

Seaweed (J.H.Dearle)

Single Stem

St James

Sunflower

Trellis

Tulip

Wall Flower

Wandle

Willow

Willow Bough

Windrush

Wreath

Textiles

モリスのテキスタイルは、染めと織りに大きく類別されます。

染めはモリス・マーシャル・フォークナー商会時代から行われていました。染めに関して、モリスは当初化学染料に満足していたようですが、やがてその色彩のけばけばしさと褪色しやすさで嫌気がさすようになり、自ら天然染料の開発に手を染めるようになっていったのでした。

また商会の工房は、モリス・マーシャル・フォークナー商会時代の1865年以来、クイーンズ・スクエア26番地に置かれていましたが、やがて1881年にはハマスミスの南8キロほどのマートン・アビーに移ることになりました。このマートン・アビーの敷地にはウォンドル川が流れ、その水は染色に適した軟水だったのです。

織りは1874年のモリス商会の改組の後から着手されました。マートン・アビーで、後にカーペットやタペストリーの織機が設置されることになりました。

African Marigold