Richmond, Yorkshire



Market Cross

リッチモンドの教会の横からマーケットクロスを眺めたところです。
この眺めは、BBCのTVドラマ、All Creatures Great and Smallで、ヘリオット先生がバスから降りる冒頭のシーンで使われていました。

実際、リッチモンドは、ヘリオット・サーガの舞台である、ダロウビー(Darrowby)のモデルになった町のひとつです。

リッチモンドはスウェイルデールの東の入り口で、スウェイルデールの首都とも言うべき町です。フレンチゲート地区を中心にジョージアンスタイルの家が連なる落ち着いた町です。

また、リッチモンドは、現代のミステリー作家、Peter Robinsonのアラン・バンクス主席警部シリーズの舞台となる町、イーストヴェイルのモデルとも言われています。

ヘリオット先生のダロウビーも、ロビンソンのイーストヴェイルも、ヨークシャーのいろんな町(Leyburn, Middleham, Masham etc.)のミックスですが、リッチモンドが必ず含まれているのは、リッチモンドがそれだけ魅力的だからではないでしょうか。ノースヨークシャーの田舎町のなひなびた雰囲気、さりとて完全な田舎ではなく街のムードも残している、という、微妙なバランスのよさに負うところが多いと思います。





Market Square

リッチモンドのマーケット広場です。マーケットデイの土曜日には、この広場が仮設店舗で埋め尽くされ、結構な賑わいとなります。

この広場を見ると、そこにヘリオット先生とトリスタンが歩いていたり、もしくは、バンクス警部とジム・ハッチリー部長刑事が歩いていたりしていても違和感がない感じがします。



Market Place

リッチモンドはヨークシャー在住の獣医にして作家であったジェームズ・ヘリオット先生のお気に入りの町で、「この国でもっともロマンチックでチャーミングな町」と、その著書、James Herriot's Yorkshireの中で紹介しています。

またヘリオット先生は、次のような小話を紹介しておりますが、これを読むとリッチモンドはやはり素敵な町だと思わざるを得ません。

「リッチモンド在住のある男が亡くなって天国へ行った。天国の門番の聖ペテロが、彼にどこから来たのかを訪ねたら、『リッチモンドからです』とのこと。聖ペテロは悲しげに首を振りながら『うーむ、さてはて・・・・』とつぶやき、『あんたにとっちゃ天国はあんまり満足できる場所じゃないかも知れんなあ・・・・』と続けたのであった。」わはははは、リッチモンドは天国以上のところのようです。



Richmond Castle

リッチモンドといえば、お城が町のシンボルです。イングリッシュ・ヘリテッジによって管理されています。

リッチモンド城はノルマン時代の築城ですが、同時代の他の城の廃墟はほとんどが荒れ果ててしまっているものが多い中で、かなりよい状態を今に伝えているのではないでしょうか。



Looking river Swale from the castle

お城の廃墟からスウェイル川にかかる橋を眺めたところ。



Richmondshire Museum

リッチモンドの歴史などがジオラマ展示されている博物館です。鉛鉱山で働く人、郵便局などのセット、本当に良くできていて、人形が今にも動き出しそうな感じでした。



TV Set of "James Herriot's Skeldale House" in Richmondshire Museum

リッチモンドシャー・ミュージアムにはいろいろなジオラマが公開されていますが、そのひとつがこのヘリオット先生の獣医病院のセットです。TVシリーズの撮影終了後、この博物館に移設されたとのことです。

ミュージアムを出るとき、受付のおじいさんが面白いエピソードを紹介してくれました。「ヘリオットしか頭にないアメリカ人が、ここに来たことがあってな、城は見たか、と尋ねたんだよ。そしたら、「城ってなんだ?」と言うんだよ。リッチモンドに来て「城ってなんだ!」はないだろうが。熱烈なファンってアンバランスな奴がいるんだよなー。」うーむそれはすごい。すかさず、「僕は今、お城を見てきたところだよ」、というと「グッド!」と、スマイルをくれました。