Easthampstead, Berkshire



St Michael & St Mary Magdalene Church

イーストハムステッドは、ヒースロー空港の近く、レディングとブラックネルの間にある町です。

ここの教区教会、セント・マイケル・アンド・セント・マグダレン教会には、Edward Burne-Jonesのデザインでモリス商会が製作した、最高水準のステンド・グラス・ウィンドウがあります。




St Michael & St Mary Magdalene Church

教会を訪問したのは、8月の土曜日の午前中でした。残念ながら、教会のドアがロックされていたので、前の家で尋ねると、「角の家が鍵をもっているはずですよ。」、と教えてくれました。

さっそく行ってみると、これがレクトリー・ハウスでした。チャイムを鳴らすと、若いレクターが出てきてくれ、教会のドアの鍵を開けてくれました。

中はさすがにすばらしい、の一言に尽きます。レクターさんの話によれば、この教会のパトロンが、John Ruskinの知り合いで、ウィンドウを作るならモリス商会を使うべき、と進言されたんだそうです。


East Window, Last Judgement, 1876

この教会の顔とも言うべき東窓は、バーン・ジョーンズの傑作、「最後の審判」でした。三連のウィンドウをひとつの窓のようにしてデザインする手法は、バーン・ジョーンズの円熟期の特徴です。また、このモチーフは、バーン・ジョーンズの故郷、バーミンガム大聖堂のウィンドウにも使われています。



Last Judgement, Detail

東窓上部の拡大です。



Last Judgement, Detail

東窓中央部の拡大です。



Last Judgement, Detail

東窓、右上部の拡大です。



Last Judgement, Detail

東窓、中央下部の拡大です。



Last Judgement, Detail

東窓、左ウィンドウ中央です。



Adoration of Magi, 1878




Adoration of Magi, 1878




Mary Magdalene at Tomb; Noli me Tangere, 1878




Mary Magdalene at Tomb

上記ウィンドウの最上部の拡大です。



St. Michael & Angels, 1914

セント・マイケルとエンジェルという、モリス商会の定番テーマです。

上記のウィンドウと違って、ウィリアム・モリスもエドワード・バーン・ジョーンズもなくなってかなり経った1914年のウィンドウです。やはり両者が生きていて、監督の目が行き届いていた時期の作品に比べると、硬いです。



Angel

上記の拡大です。1914年という時期を考慮すれば、かなりよく出来ているほうだと思います。

しかし、OxfordのChrist Churchにある、これのオリジナルに比べると、あまりに様式化されすぎてしまった感じで、ちょっとつまらないです。



St Michael




Angel




Baptism by Wailes, 1873?

この教会には、モリス商会以外のウィンドウもあります。

Church Stained Glass Windowsという、素晴らしいウェブサイトがあるのですが、その情報から判断すると、Wailesの作品だと思います。

ビクトリアン・グラスとしては、おとなしめな配色ですが、それでもモリス商会のウィンドウに比べると、原色が目立ちます。



Jacob blessing Ephraim & Manasseh; Eli blessing Samuel by Lavers & Westlake 1879?

これも、Church Stained Glass Windowsの情報から勝手に判断すると、Lavers & Westlakeの作品だと思います。

ビクトリアン・グラスはどれもよく似ていて、判断がつきにくいです。タイトルと窓の数から判断するしかありません。違っていたらごめんなさい、です。



Acts of Mercy by Wailes?

これも推論ですが、Wailesかな・・・。

Church Stained Glass Windowsの情報によれば、この教会の3連ウィンドウは、3つのファーム、Morris & Co., Kempe, Wailesによって作られているようです。

Morris & Co. や、Kempeは、一目見ればわかるスタイルですから、消去法でWailesかな、って感じです。

まあ、とにかくビクトリアン・ゴシックです。ぎんぎんぎらぎらです。^^;